Milk Crown

Godox Cells II を使ったハイスピードシンクロで MILK CROWN を撮ってみた

先日の水族館撮影会で、写真仲間と Gotox V850 についての話をしている時のこと。恩師からハイスピードシンクロの例として「ミルククラウン」というワードが出た。そういや水槽の中に木ベラを突っ込んで波を作ったり、イチゴやレモンを水面に落としたことはあるけど、ミルククラウンは撮ったことないなぁ~。と、ちょっと気になっていたので、Gotox Cells II のテストも兼ね撮ってみた。

はじめは簡単にできるだろうと考えていたのだけど、実際やってみるとこれが実に難しい。まさに王冠状になるのは水滴が水面に当たった瞬間なので、シャッターを切るタイミングを掴むまでかなり時間がかかった。

使用した機材は V850 を2台と Gotox Cells II を付けた EOS 7D の組み合わせ。6D ではシャッタースピード1/4000秒までしか上げられないので、1/8000秒が可能な 7D を使った。

Cells II は、V850と専用ラジオスレーブ受信機の組み合わせで、シャッタースピード1/8000秒でのハイスピードシンクロ(以下FP発光)撮影を可能にするCanonカメラ専用のワイヤレス送信機。(現在Canon以外のカメラには非対応)

Gotox Cells II

撮影を始めて気づいたことが2つ。

①器になみなみとミルクを注いだのでは、ミルククラウンにはならない。
②FP発光だと V850 のオーバーヒートプロテクションが働くまでの連続発光回数が通常発光より極端に少なくなくなる。(後で取扱説明書を見返したらちゃんと書いてあった)

①はテクニカルなことなので工夫次第でどうにかなるが、問題は②・・・
ポタポタとスポイトの先から落ちるミルクに、テンポよく連写しつつベストなタイミングを狙うのだから、連続発光時間が短くなるのは辛い。

考えてみれば当然のこと、FP発光では瞬間光ではなくフラット光。
自ずと発光時間が長くなるため発光管の温度上昇が通常より早いことを想定してのことだろう。これはCells IIによるものではなく、V850に設定された機能だ。正直、中国メーカーのGotoxがここまで考慮して設計しているとは思わなかった。この物理的障害を避けるためのリミッターなので、FP発光での連写は期待できない。連続発光が必要なら、シャッタースピードを1/160もしくは1/125以下にして通常発光させることになる。

勘違いしないで欲しいのは、V850 + Cells II は使いものにならないということではなく、使い所を選ぶということ。Cells II を使ったFP発光と V850 の通常発光を適材適所で使い分けることにより用途は広がると思う。

撮影後に V850 をハイスピードシンクロモード(H)にしてオーバーヒートプロテクションが働くまでの連続発光回数を計測したので記録しておく。

Power Normal HighSpeed
1/1 20回 10回
1/2 30回 15回
1/4 60回 15回
1/8 200回 20回
1/16 300回 20回
1/32 500回 30回
1/64 1000回 30回
1/128 1000回 30回

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