前回お届けした花火の撮り方基本編に続き応用編です。以前からずっと気になっていた撮影方法なのですが、幻想的な花火が撮影できるということで私も初挑戦してみました。
まずは上のアイキャッチ画像と下の写真を御覧ください。
まるでCGみたいでしょ?でもこれ、前回紹介した撮影方法にちょこっとレンズ操作を加えただけなんです。
金武 武(かねたけ たけし)さんという方が考案者された「福田式撮影術」と言うそうですが、私は「エヘン虫写真」と呼んでいます(笑)今回はそんなエヘン虫写真の撮り方をご紹介します。
■撮影機材
ピントのボケを利用した撮影方法になるので、交換レンズはできるだけ明るいレンズ(開放絞り値が小さい)を使ってください。無限遠でピント合わせが可能ならマクロレンズでもかまいません。
交換レンズ以外の撮影機材は基本編と同じなので、こちらを参考にしてください。
■カメラ設定
絞り値(F値)を、設定できる一番明るい数値(小さい)にしてください。(例:F1.8とか、F2.8とか)
キットレンズしか持ってないから一番明るくしてもF3.5とか、F5.6にしかならないよ〜。という方でも大丈夫。明るいレンズのほうがエヘン虫効果は高くなりますが、ちゃんと撮れます。その証拠に上の私の写真は全てF8前後で撮っています。なぜかって?「基本編の設定のまま、絞り値変えるの忘れちゃったから・・・(爆)」
絞り値以外のカメラ設定は基本編と同じなので、こちらを参考にしてください。
■撮影方法
- 三脚にカメラがしっかり固定されていることを確認します。花火は縦の動きなので、意図がなければ縦位置から始めるのがいいでしょう。
- レリーズをカメラに取り付け、ボタンを押している間、ちゃんとシャッターが切れることを確認します。
- 花火が上がり始めたら、ズームリングを動かして画角と構図を決めます。(ズームリングを動かしたくない場合はテープで固定します。画角を変えたい場合は固定しなくてもかまいません)
と、ここまでは基本編とほとんど同じです。
■アウトフォーカス(勝手に命名)の撮り方
- 花火にオートフォーカスします。ピントが合ったらオートフォーカスをオフにします。
- 花火が上がったらレリーズボタンを押して、開いたと同時にフォーカスリングを近距離側に回し、花火が消えたらボタンを離します。
- オートフォーカスをオンにしてピント合わせから繰り返します。
ポイントは花火が開いている最中にフォーカスリングを回して、ピントが合った状態からボケた状態にすること。こうすることで、下の写真のように光の筋が外側に広がって写ります。
■インフォーカス(勝手に命名)の撮り方
- オートフォーカスをオフにしてから、フォーカスリングをピントがボケる側(近距離側)に回しておきます。
※インフォーカス撮影中はオートフォーカスは常にオフにしておきます。 - 花火が上がったらレリーズボタンを押して、開いたと同時にフォーカスリングを無限縁側に回し、花火が消えたらボタンを離します。
- フォーカスリングをピントがボケる側(近距離側)に回し、次の打ち上げに備える。の繰り返しです。
ポイントはアウトフォーカスとは逆にフォーカスリングを回すこと。こうすることで、下の写真のように光の筋が外側に広がるにしたがって先細りして写ります。但し、オートフォーカス用のレンズのほとんどは、無限遠側の端までいっぱいにフォーカスリングを回しても、わずかに「あそび」と呼ばれる回転余裕があり、完全な無限遠にはならずピントが合いません。ピントが合った状態で一番細く写るので、先端を尖らせたいなら無限遠になった状態で回転をピタリと止める必要があるのですが、これはもう個人のテクニックですね。そういった意味ではアウトフォーカスより難しい撮影方法だと思います。
インフォーカス・アウトフォーカスどちらの撮影方法でも、背面液晶で確認しながら、暗い場合は絞り値を小さく(開く)、明るい場合は大きく(絞る)調節します。スターマインなど連続する花火はF16くらいまで絞らないと明るくなりすぎてしまうので、絞り値ができるだけ明るくなるようNDフィルターを使用するなどして調節してください。
なんだか花火に見えない不思議な花火の撮影方法でしたが、みんさんもこの夏、エヘン虫花火写真に挑戦してみてはいかが?
さて、次は何を撮りに行こうかな。
500pxギャラリーにもちょっとだけアップしています。