熊本では、大きな震災に見舞われている方々がいらっしゃるにもかかわらず、震災翌日。思うところあって、久しぶりのソロキャンプに行ってきました。今回の目的は、出来上がってきたばかりの試作品をフィールドでテストすること。
その試作品とは、この1枚の金属パネル↓
この形。すでに持っている人はすぐにわかっちゃいますよね。そう、これはデルタストーブ用の新しいパネル「オープンパネル」です。
なぜオープンパネルを作ろうと思ったのか
デルタストーブDS-01は、TT-02と併用すると、燃焼中はアルコールストーブの消化蓋が使えなかったり、デルタストーブ単体でも火力調節ができなかったりと、使うシーンが限定されてしまいます。そこで、パネルに横穴を開けることでこれらのウィークポイントをカバーできないかと考えました。当然、穴が開くことで燃焼室へ簡単に物が出し入れできるようになるのでネイチャーストーブとしても使えるかもしれません。
元々、デルタストーブは、VARGOヘキサゴンウッドストーブのように直接薪を焚べて燃やすことを想定した、いわゆる「ネイチャーストーブ」として設計していません。これは、アルコールストーブや固形燃料などのバイオ燃料を使った際に横風を防ぐことを目的にデザインしているからです。
でも、いざというときにデルタストーブがネイチャーストーブとしても使えれば、僕が以前から考えていた「キャンプ道具=防災用品」として役立つのでは?という考えが、このオープンパネルを作ろうと思ったきっかけです。
キャンプ道具は災害時にも役立つ
いつ自分の身に降りかかるか分からない災害のためだけに、防災用品を揃えておくのは”言うは易く行うは難し”ですよね。仮に準備万端揃えられていたとしても、必要なときに使い方が分からなかったり、かえって怪我をしてしまったり(させてしまったり)ということもあるかもしれません。でも、キャンプ道具=防災用品と考えれば、普段から楽しんで揃えられるし、道具に慣れることもできる。その経験や知識は、きっと災害時にも家族の身を守るために役立つはずです。
そもそも、なぜ私が「キャンプ道具=防災用品」と考え始めたかというと、TT-02発売当初にご購入いただいた方からこんなメッセージをいただいた事がきっかけでした。
私は登山をするわけではなく、アウトドアの初心者ですが、最近の地震や火山活動の多さに防災用品の準備をしていました。
カセットコンロは便利なのですが、災害時にはすぐに売り切れてしまうと聞き、それに代わるものを探してアルコールストーブを知りました。
その際、五徳にヘキサゴンウッドストーブが向いていると知り、偶然TT-02を知りました。
キャンプ用品が充実しているわけではないので、家庭で使用しているもので試してみましたが、安定感があり、安心して使えました。
安全に使えるって、本当にいいですね。
いいものを作っていただき、ありがとうございました。
目からウロコ・・・でした。
私は、このメッセージをいただくまで、VARGOヘキサゴンウッドストーブとTT-02の組み合わせを、キャンプで使う道具としてしか考えていませんでした。キャンプ道具を防災用品として準備しておくのはとても良いアイデアだと思います。
横穴サイズの限界
今回新たにデザインしたデルタストーブ用のオープンパネルでは、今まで不可能だった”トランギアアルコールバーナーの出し入れと、消火蓋が利用できること”をマスト条件にしています。しかし、デルタストーブDS-01は、メスティンに収納できるようギリギリまでコンパクトに設計したので、パネルの薄さと強度を考えると、横穴を開けるには限界があります。また、TT-02との併用を考えた場合、切れ込みを避けて大きな穴を開けるのは不可能でした。そこで、このオープンパネルを使った場合は、TT-02との併用と、高さ調節機能を諦めることで最低限の強度を保ちつつ、可能な限り大きな穴を開けることに成功しました。
オープンパネルで広がる用途
すでにデルタストーブをお持ちの方は、3枚のパネルの内、1枚だけをこのオープンパネルに差し替えるだけで、次のことができるようになります。
※フィールドテストの結果、ネイチャーストーブとして常用すると、パネルが高温に耐え切れず永久変形してしまうことが判明しましたので、4番の項目を訂正しました。(2016/06/12)
- クッカーを乗せたままアルコールストーブや固形燃料の出し入れができるようになります
- クッカーを乗せたままアルコールストーブ用消化蓋の出し入れができるようになります
- クッカーを乗せたままアルコールストーブの火力調節蓋が利用できるようになります
バイオ燃料が入手できない場合小枝や枯葉などを燃料としたネイチャーストーブとしても利用できるようになります緊急時には小枝や炭を燃料としたネイチャーストーブとして一時的に利用できます
但し、このオープンパネルを使用した場合、以下の注意が必要です。
- トライアングルトリベットTT-02は併用できなくなります
- ベースプレートの2段階高さ調節はできなくなります
- ネイチャーストーブとして普段使いできるようには設計していません
YouTube動画作りました
YouTubeにて、オープンパネルの試作品を使った検証動画を公開しました。まだ開発途中ですが、イメージは伝わると思うのでよろしければご覧ください。もちろんいいね!も宜しくです\(^o^)/
販売予定について
このオープンパネルはまだ試作段階で、販売できるのはもう少し先になりそうですが、デルタストーブを手に入れた全ての人が役立つアイテムになると思います。また、1枚での販売にするのか、デルタストーブとセットでの販売にするのかも含めて現在検討中です。
追記:すでに DELTA STOVE DS-01 をご購入いただいている方々には、単品でご提供できるよう方法を検討しています。
販売できるようになりましたら、メール会員の皆様を優先してお知らせしますので、ご興味ある方は、こちらからメール会員登録をお願いします。
Tsuneharu Doi says
先日、両方買いました。今作は、ぜひ、単体販売を願います。
ENDO says
両方お買い上げありがとうございます!
そして、単体販売リクエストありがとうございます。
すでに DELTA STOVE DS-01 をご購入いただいている方々にも単品でご提供できるよう、方法を検討していますのでご安心ください。
アクア says
お世話になります。
デルタストーブは固形燃料でのメスティン自動炊飯で大変助かっています♪
オープンパネルが実装されれば、アルコールストーブの火力調整も出来るのでこれは良さそう。
その際、試作品のように、TT-02を乗せられる小さな切り込みで良いので、残して頂けるとありがたいです。
メスティン程度なら問題ありませんが、もっと重量のあるものですと、TT-02と組み合わせる事で強度が増し、安心感があります。
頑張って良い物を作ってくださいね!
ENDO says
アクアさん、嬉しいコメントありがとうございます(^O^)/
そうなんです!オープンパネルは、アルコールストーブの消化蓋が使えるのですご~く便利になります。
でも、残念ながらTT-02は、安全のため使えなくなってしまうんです。。。
アクアさんがおっしゃるように、試作品よりさらに浅い切れ込みを残すのですが、TT-02は嵌めるというより置けるという感じになり(しかも斜め)、かえって安定が悪く危険になってしまいます。
なので、重いものを乗せたい場合は、通常のパネル。消化蓋を使いたいなら、軽めのクッカーでオープンパネル。というように使い分けが必要です。
軽めのクッカーと言っても、オープンパネルと固形燃料やアルコールストーブを使った場合、2kgくらいの重さまでは余裕で乗せられるので、3kg以上もあるダッヂオーブンとかでなければ、それほど困ることはないと思います。
参考になるかわかりませんが、、TT-02はVARGOヘキサゴンウッドストーブ用、デルタストーブはオープンパネルがデフォ。底面の小さいマグカップやシェラカップを使いたい場合は、通常のパネルとTT-02を使うといった感じが、最近の私の使い方です。
> 頑張って良い物を作ってくださいね!
はい!頑張ります!(`・ω・´)ゞ