トライアングルトリベットTT-02について多くいただく質問は素材に関するもの。
「TT-02はチタン製ですか?」
「チタン製を作る予定はありますか?」
「チタンで作ってください」
はじめに謝っちゃいます。ごめんなさい。TT-02と、開発中のデルタストーブはチタンではありません。ステンレスでできています。VARGOヘキサゴンウッドストーブにはステンレス製とチタン製の2種類ありますが、チタン製を使われている人が圧倒的に多いようです。私も自分が持っているチタニウムヘキサゴンに合わせてチタンで作りたかったわけですから・・・
ところで、チタン製であることの利点って何かご存知でしょうか?
おそらく「軽くなる」というのが一般的な答えでしょうかね。
でも、チタンって本当に軽いのでしょうか?
アルミと比重を比較してみます。
- チタン 約4.5g/cm3
- アルミ 約2.7g/cm3
実はアルミよりチタンの方が1.7倍ほど重いんです。
では、なぜチタンは軽いと称されるのか?
アルミに比べてチタンは固く強度があるため、同程度の強度を保ったままアルミよりも薄く作ることができ、製品になるとアルミと比較して軽くなるのです。
ちなみにTT-02やデルタストーブに使っているステンレス(SUS304)の比重は約7.9g/cm3、チタンの約1.8倍です。
チタンの利点は他にもあります。
- 熱に強い
- 熱膨張が少ない
- 錆びない
- 金属臭がしにくい
- 金属アレルギーを引き起こしにくい
- 金属イオンの溶出が少なく環境に優しい
など、
でも良い事ばかりではありません。アルミとチタン製のクッカーを比較した場合、熱伝導性の悪いチタンは全体に温まりにくいのと同時に焦げ付きやすく、調理には向かないと思っています。但し、マグカップやカトラリーではその熱伝導性の悪さが利点となり、呑み口や持ち手が熱くなりにくかったり、直接口につけた時に金気臭さを感じにくかったりします。
最大のデメリットは、チタン材料は高価であるということ。また、硬く加工しづらいということ。扱いの少ない工場では、定尺サイズの材料を都度購入しなければならないため少量生産が難しいのです。TT-02開発の際にも工場の方と色々と検討してみましたが、小ロット生産ではコストがかかり過ぎて現実的ではないという結論に。。。
かと言ってステンレスが悪いわけでもありません。ステンレス性のクッカーやカトラリーはたくさんあります。最大のメリットは熱に強く錆びにくく、アルミよりもずっと硬いということ。比較的材料も入手しやすく加工もしやすいので私のプロダクトには欠かせない材料なのです。でも、諦めたわけではありませんよ。いつかはチタン製TT-02やデルタストーブを実現したいと思っていますので、長い目で見てやってください。
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