最近アウトドア雑誌を見ているとちょくちょく紹介されているので気になっていたポータブルプロジェクター。とある事情がきっかけで超小型モバイルプロジェクターをお借りすることができたので、アウトドアでも楽しめるのか、先日の道志の森キャンプで検証してきました。
Smart Beam Laser
今回お借りしたのは、韓国の大手通信キャリア「SKテレコム」の子会社である「United Object」が開発した「UO Smart Beam Laser Projector」(以下Smart Beam Laser(スマート・ビーム・レーザー))という、超小形プロジェクター。日本で販売代理店をされている「タイセイテック株式会社」さんからお借りしました。(Smart Beam Laser の詳しいスペックなど公式サイトはこちら)
テクノロジ~♪
3〜4年前に会社で入手した3MのポータブルプロジェクターMPro120を使ったことがあるんですが、暗すぎて全然使い物にならなかったんですよね。(まだデスクの引き出しで眠っています)でも、最近のモバイルプロジェクターってすごく明るいんですね。100ルーメンですって!ちなみに3MのポータブルプロジェクターMPro120は、12ルーメンでした。
で、この Smart Beam Laser 何が凄いかというと、ワイヤレスで簡単にスマホやタブレットとつながるんです。本体には約2時間使えるリチュウムバッテリーとスピーカーが内蔵されているので、コード類を一切つなげることなく使えちゃいます。
え?2時間じゃ足らない?
いやいや心配ご無用。アウトドア派なモバイラーなら誰でも持っているであろうスマホ充電用のモバイルバッテリーを外部電源として使うこともできるので、さらに長時間の使用も可能なのです。
それと、商品名にもあるように、光源にレーザー光を使っています。なんだか投影した所が焼け焦げてしまいそうですが大丈夫です(笑)レーザー光の特徴で、使用可能な範囲内ならスクリーンとの距離を変えても常にピントが合ってしまうんだそうです。 どこに置いてもフォーカスフリーでピントバッチリ!凸凹だろうが斜めの面だろうがお構いなしでピントが合います。そもそもピント調節のツマミが無い。後にもちょっと触れますが、これって外で使うときには重要なことです。
これだけの高機能を一辺5.5cmキューブ型の手のひらサイズに詰め込まれているのに、195gとメッチャ軽い。しかも最大投影サイズが100インチって!すごい時代になったもんです。
バッグから取り出したらテーブルの上にポンと置いて、iPhoneとWi-FiでつなげてAirPlayでミラーリングすれば即ワイヤレスで大画面。そんな感じの気軽さは確かにスマート。
手乗りプラネタリュウム
さ~て、せっかく外へ持ち出すなら何を映したら楽しいだろうかと考えたんですが、そりゃもう、満天の星空の下でプラネタリュウムよろしく、星座アプリを巨大スクリーンいっぱいに映しながらグリグリ回して宇宙を我が物に・・・。な~んて期待は曇り空で打ち砕かれ・・・(前記事参照)
結局自分のYouTube動画や、PIXARのショートムービーを観たりと、自宅と変わらない映像を観てキャッキャ言ってました(笑)
今回キャンプ場で使わせてもらうにあたってちょっと残念だったのは、手持ちのiPhone、iPadをiOS10にアップデートしたばかりで、せっかくの無線接続ができず、Lightning ーDigital AVアダプタを使った有線接続しか試せなかったこと。現在メーカーで新しいファームウェアを準備中とのことなので、近いうちにiOS10にも対応してくれるとは思いますが、詳しくはタイセイテックさんのサイトでご確認ください。
2016/10/21追記:
iPhoneおよびiPad用のiOS 10で、スマートビームレーザーとの無線接続(AirPlay接続)が利用できるようになる新ファームウェア(1.1.8)の配信が開始されたそうです。詳しくはこちら
スマートビームレーザーのファームウェアをアップデートする方法は「操作説明」のページに記載してありますので、手順通りに行って下さい。なお、ファームウェアのアップデート中、スマートビームレーザーの電源が切れないように、バッテリーは満充電の状態で、念のためUSB電源も接続した状態で作業を行って下さい(アップデート中に電源が落ちると、最悪の場合、スマートビームレーザーが起動しなくなることがあります)。ファームウェアのアップデートについてご不明な点がありましたら、弊社サポートまでお問い合わせ下さい。
キャンプで最適なスクリーンは?
キャンプシーンで、どこに投影すれば一番見やすいか色々試しました。
スモーク用に使ったAmazonのダンボール

タープ
ランデブーの傾斜面に投影してみたけど斜め過ぎてちょっと観づらい。
テント

コテージの白い壁
大きく映せるんだけど、横板のつなぎ目が気になりすぎてNG
車の側面
レグナムだと、高さが確保できないのでやっぱり小さくなっちゃう。Fujeyさんの車は大きいけどボディーカラーがブラックなのでNG
で、結論はやっぱり白い布
家から持って行った白のリップストップ・ナイロン生地を、タープの縁に2カ所クリップ止めしてスクリーンにしました。結局このスクリーンがいちばん観やすかった。大きめの軽い布を小さく畳むか、長い棒に巻きつけて持って行けば荷物にならないし、洗濯バサミを使ってタープにクリップすれば、簡単に大型スクリーンが完成します。
たまたまFujeyさんが持っていたIKEAで買ったというフック付きのミニクリップが超便利で、スクリーンの下側にもこのクリップを取り付けてスノピのソリッドステイクをぶら下げると、風にたなびくのを少し抑えることができました。(下の画像は翌朝に撮り直したもの)
スクリーンが多少風に揺れても、ピント調節の必要がなくどこにでもピントが合ってしまう Smart Beam Laser は、屋外使用でも余計なストレスを感じず使うことができました。風で揺れるたびに字幕が読めなくなるのはイラつきますからね。もう少し工夫して、地面に打ち付けたペグとクリップをガイラインで結べば、しっかりとスクリーンを張ることができたかも。
真っ暗闇がベスト
家の中で使っているときは、正直もうちょっとだけ明るかったらなぁ。なんて思ったんですが、真っ暗闇の屋外で使ってみると、これがビックリするほど明るくて鮮明に見えるんです。なんでこんなにも違うんだろう?と考えてみたらわかっちゃんた。
狭い部屋の中では、投影された光が周りの白い壁に反射して、暗いはずの室内に光が回り込んで明るくなってしまうんですね。でも、キャンプ場のような屋外では、周りに反射するものが少ないので、Smart Beam Laserの光だけがスクリーンに効率よく投影でき、十分な明るさが感じられるようです。
あと、これはちゃんとした検証が必要だけど、LEDランタンと同じく、虫が寄って来難い気がしました。長い時間川のそばのサイトで投影していたのに、白いスクリーンに虫がビッシリ(゚д゚)!なんてことはなかったです。
イマイチな点
良いところばかりではなく、もちろんイマイチなところもあります。
内臓されているモノラルのスピーカーの音量は、室内では十分だけど、屋外で聴くにはちょっと音量不足。特に道志の森は川沿いのキャンプサイトが多いので、川音に掻き消されて最大音量でも聞こえませんでした。まあ、話し声も聞こえにくい環境なのでこれはしかたないとしても、イヤフォン端子などの外部出力があるといいなと思いました。(もしかしたら音声だけBluetoothで飛ばしてとかできるのかも)
YouTubeなどの一部のコンテンツが無線接続では再生できません。有線接続なら完全ミラーリングで再生できるので、接続したい機器に対応したHDMIケーブルや変換プラグが別途必要です。僕の場合は、Canon G7Xで撮影した静止画や動画も投影したかったので、HDMIケーブルを別途用意しました。(動画配信サイトの対応状況については、Smart Beam Laser公式サイト サポートページの「動画配信サイトの対応情報」で案内してくれています。)
基本的にはテーブルの上にそのまま置いて使う仕様のようで、本体だけでは向けたい方向へ角度調節する術がないです。初めから底面に三脚固定のネジ穴が付いていると便利なんですが残念ながら無いんですね。でも、タイセイテックさんからお借りしたときに、100均で購入されたというスマホホルダーを付けてくれていて、これがかなり重宝しました。元々持っていたミニ三脚に取り付ければ、排熱用の穴を塞ぐことなくしっかりとホールドしてくれて、首振りも自在です。
アウトドアで使うなら、本体を保護してくれるようなカバーが欲しいです。実際、暗闇の中を投影場所を探しながら場内をうろついていたら、大切な借り物を落として傷つけてしまいました(|||_|||)ガビーン
もう一つ、昔に比べて安くなったとは言え、少々お値段高めです。まあ、これだけの機能をこのコンパクトサイズに詰め込んだら仕方ないんでしょうけど。
まとめ
はじめは「え~、キャンプで映画??」と、ちょい引き気味だったFujeyさんも、スクリーンに映された映像を見て「これ、、ありだね。。。」と、納得されたもよう。いや、もうこのタープに取り付けたスクリーンで観たら、ほんとパーソナルシアターですよ。
日中にスマホで撮影した写真や動画を観たり、予め入れておいたビデオを観たり、ソロキャンプで使うにはちょっと寂しいけど、小さなお子様がいるご家族のキャンプなら、夜のイベントとして十分楽しめるのではないかと思います。
大勢で映像を観られる環境がポケットに入るというのはすごく未来を感じます。(少なくともこんな大かがりなセットは必要ないですねw)
むしろ、家の中だけじゃなく、GoProのようにウェアラブル感覚で持ち歩いてみると、新しい出会いや発見があるかもしれません。
ああぁ、早く星空の下で、星座アプリをグルグルしたい!
コメントを残す