生産工場に、仕上げ前、仕上げ後のサンプルを作っていただいたので、今回は製品の加工と仕上げ方法についてご紹介します。
ステンレス素材やチタン素材を使った marupeinet の製品は、今の所すべてレーザー加工機を使って形状を切り出しています。
「レーザー加工機」というのは、「レーザーカッター」とも呼ばれ、強力なレーザー光線を材料に当てて、分厚い金属でも切断してしまうという凄い工作機械です。
金型を使わず複雑な形状を1品から製作することができるのがこのレーザー加工機の利点ですが、いくつか問題点もあります。
- 金型に比べて1個あたりの製品価格が高くなる。
- 大量生産には向かない。
- レーザー光線の入口と出口に僅かな凹みと焼け跡が残る。
- 切断部分のバリ取り工程に手間がかかる。
いちばんコストに影響してしまうのは、4番めの問題。
レーザー光線で金属を溶かしながら切断していくんですが、この時に溶けた金属の一部が切断した片側だけに付着物として残ってしまいます。
この付着物を「ドロス」と呼んでいますが、大きなドロスは手を切ってしまうなどの危険があるので、ステンレス材料を使った marupeinet の製品については、人の手と専用機械の両方で1つずつ除去してもらっているんです。それでも完全には落とすことができないので、製品説明書などでバリが残っている場合はご自分で落としてからお使いいただくようご案内しています。
以前は人の手だけで仕上げてもらっていましたが、昨年末から生産数が増えたため、専用機械で大きなドロスを落とした後、残った危険なバリを手作業で仕上げてから拭き取ってもらっています。最近ご購入いただいた製品の片面だけブラシで擦ったようなスリ傷が付いているのは、バリ取り専用機に通しているためです。
チタン製の「T3」については、材料自体も高価で扱いが難しいので、特殊な表面研磨方法と、ショットブラストという2種類の表面加工方法を使い、手間をかけてバリやスリ傷の少ない美しくサラッとした表面に仕上げています。
marupeinet の製品では「共通の興味を持たれている皆様に可能な限りお安くご提供したい」という私の思いから、できるだけ生産コストを抑えるための改良を加えています。
ステンレス材料を使った製品では必要最低限の仕上げしか行っていないのもこのため。レーザー加工機による焼け焦げや、多少のバリ、表面の扱いキズなどが残った状態をご理解いただいた上でご購入いただいていますが、ここ最近、多くの方々に marupeinet の存在を知っていただいたことで、生産数が急激に増え、安全を確保するための仕上げに手間と時間がかかり、生産が難しくなってきているのが現状です。
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