「FANFAN DRYCUBE(以下FANFAN)」は、ウォーターボトルなどを乾かすための小さなドライヤーです。モバイルバッテリーやACアダプターで動作しますが、旧式のマイクロUSBコネクタを使っていることで少しネガティブなイメージを持つ人もいるかもしれません。そこで、なぜUSB-Cにできなかったのか、その理由を説明します。【FANFANについてはこちら】
目次
はじめに
この記事を読まれる方は、FANFANはなぜわざわざ古い規格のマイクロUSBコネクタを使っているのか?と、疑問に思われていることでしょう。事情を知らなければ私自身もきっとそう思います。
ここでは、開発当初のUSB-Cから、なぜマイクロUSBにせざるを得なかったのかについて解説します。
USB-Cの複雑さと適切な接続の重要性
本来の性能を引き出せていないかも
USB-Cは多機能で、データ転送、電力供給、ディスプレイ接続など多くの用途に対応できますが、その複雑さゆえ、それぞれの規格に対応した適切なケーブルやデバイスが接続されていないと、その恩恵を受けられないことがあります。例えば、急速充電に対応したモバイルバッテリーを持っていても、急速充電に対応したUSB-Cケーブルを使用していなければ、充電速度は遅いままです。また、USB-Cケーブルやデバイスは、USB 2.0、USB 3.2、Thunderbolt 3、USB4など異なる規格(プロトコル)に対応している場合があって、この規格の違いも性能に影響を与えてしまいます。
PDプロトコル問題
USB-CはPD(Power Delivery)と呼ばれるプロトコルをサポートしていて、デバイス間の通信によって電力供給の調整が行われます。しかし、FANFANのように給電だけを必要とする低電力デバイスでは、PDプロトコルを介した通信によって電力が遮断され動かないことがあります。つまり、USB-C接続すると使えない外部電源が沢山あるということです。もちろん、電子的にPDに対応させる方法はありますが、コストアップとサイズが大きくなってしまうため、USB-Cの採用をやむなく断念しました。これが、FANFANにUSB-Cを採用できなかった最大の理由です。
マイクロUSBコネクタの選択
シンプルで安定した電力供給
一方、マイクロUSBはシンプルな規格で、複雑な電力供給の仕組みが不要。なので、FANFANのような最大0.2A(アンペア)というわずかな電流だけで動作するデバイスでも、ケーブルの種類を気にする事なく使うことができます。
高い耐久性
マイクロUSBコネクタは、10,000回以上の抜き差しに耐えられるよう設計されています。ちなみに、USB-Cも同じく10,000回以上を挿抜回数の保証値としています。【source】 言い換えると、1日1回抜き差ししたとして、約27年間使用可能ということです。もちろん使い方によると思いますが、これなら、頻繁に使っても壊れにくいと言えそうですね。
変換アダプタの活用
USB-C to マイクロUSB変換アダプタ
FANFANに直接USB-Cケーブルを接続することはできませんが、「USB-C to マイクロUSB変換アダプタ」を使うことで、USB-CケーブルをFANFANでも使うことができるようになります。さらにPDプロトコルをキャンセルできるというメリットもあります。
USB-Cケーブルしか持っていない方のために
FANFANをご利用いただくうえで、USB-Cケーブルしか持っていない方のために、「USB-C to マイクロUSB変換アダプタ」を別売りオプションとしてご用意しました。このアダプタを使うことで、USB-Cポートを持つモバイルバッテリーやACアダプターからもFANFANに給電できるようになります。
【重要】別売りの変換アダプタは、eMarkerが内蔵されているUSB-Cケーブル(60W以上の電力供給に対応したケーブル)では使用できません。
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【USB-C to マイクロUSB変換アダプタ】
コネクタ形状に関わらない重要な問題
低電流での自動停止問題
一部のモバイルバッテリーは、低電流で使用すると自動停止する機能があり、FANFANのように低電流で動作するデバイスでは、途中で止まってしまうことがあります。この場合、そのモバイルバッテリーではFANFANを使用することはできません。USBコネクタの形状よりもこちらの問題の方が大きく、残念ながら今のところこの問題を回避する方法はありませんので、別のモバイルバッテリーかACアダプターをお使いください。
低電流モード対応モバイルバッテリーの利用
「Anker PowerCore 10000 PD Redux 25W」などのモバイルバッテリーには「低電流」に対応するモード切り替えができる製品があります。この停電流モードに対応した製品なら、FANFANを安心して使うことができるので、使用するモバイルバッテリーが「低電流モード」に対応しているか確認されることをお勧めします。(「低電流モード」対応モバイルバッテリーの活用については別途記事にしたいと思っています 記事書きました→こちら)
まとめ
FANFANにマイクロUSBコネクタを採用した理由は、シンプルな規格で安定しており、高い耐久性と広範な互換性があるからです。これにより、低電力デバイスに対しても安心して電力を供給できます。また、USB-Cケーブルだけしか持ち合わせていない方でも、USB-C to マイクロUSB変換アダプタを使えば、PDプロトコルの問題も回避でき、手持ちのケーブルが有効利用できて一石二鳥です。これで、マイクロUSB採用の不安が少しでも減ってくれれば嬉しいです。
ではまた|彡サッ
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