僕は星に詳しいわけじゃないけど子供の頃から天体には興味があって、機会があれば満天の星空を写真に撮りたい!と、ずーっと思って来ました。でも、東京に住んでいるとそんな満天の星空なんか見られるチャンスはほとんどなく、プラネタリュウムで喜ぶくらいがせいぜい。なので、キャンプに行く時は星が撮影できる機材を必ず持っていくようにしています。と言っても、未だに納得のいく星は撮れていないんですけどね(笑)
今回はキャンプ道具の話しからちょっと外れて、星空を撮るために使う特殊なフィルターを開発中ですよ、というお話です。ちょっとマニアックな内容になるので、星や写真に興味のない方はスルーしちゃってください(^^;
ピント合わせで苦労する
星を撮影したことがある人なら経験されていると思いますが、一番手こずるのはピント合わせなんです。被写体が点なので、少しでもピントがズレているとモヤっと感がハンパない残念写真になってしまいます。(下の星空写真は、一見ピントが合っているように見えますが、実はわずかにずれています。クリックすると拡大して表示します。)ファインダーに捉えた小さな星に、オートフォーカスでピントを合わせるなんてことは、最新のデジタルカメラを使ってもまだ難しいので、ライブビューで確認しながらマニュアルでピント合わせをすることになるんですが、これが結構苦労するんです。(特にローガンでは^ ^)
バーティノフマスクってなんだ?
天体望遠鏡を使った天体観測の世界では、光が障害物に当たると回り込む回折現象を利用して手動でピント合わせができる「バーティノフマスク」というツールがあることを知り、2014年に別のブログで「フォーカスアシストツールのバーティノフマスクを自作してみた」という記事を書いています。
目視でピントの微調整ができる優れものなのですが、当時はレンズのフィルターに切り抜いたカッティングシートを直接貼るという強引な手法で制作していたので、フィルター径の違う手持ちレンズの数だけ作らなけばならず実際はほとんど出番がありませんでした。
星空写真撮影用ツールの開発
あれから3年、初期の頃はノートパソコンをカメラに繋げて、キヤノン純正ソフトのライブビューでピントを合わせたり、iPhoneアプリからカメラのWi-Fiに接続してピント合わせしたりしていましたが、僕が使っているキヤノンのデジイチは、ライブビューの拡大が10倍までしかできないので、24mm以下の広角レンズを使った星景撮影では、ピントの山が確認しづらいのです。ニコンのデジイチだと23倍とかまでできる機種もあるようなので超広角でも確認できるんでしょうか?ニコン使われている方教えてぇ〜( ´Д` )ノ
その後、厚紙を切り抜いてみたり、OHPシートやタトゥーシールにプリントしてみたり、線の太さや角度を変えてみたり、色々と改良しながら試してきましたがどれもイマイチ・・・
で、試行錯誤の末、こんなフィルターを作ってみました。↓
名付けて「STAR LIGHT FILTER」(以下SLF)です。
アクリル製の透明板に直接極細の線をシルク印刷しています。
使い方
- カメラを三脚に固定します。
- 下でご紹介しているセット方法の何れかで、スターライトフィルターをカメラのレンズ前にセットします。
- 手ブレ防止機能がある場合はオフにします。
- オートフォーカスをオフにし、マニュアルでピントが調節できるようにします。
- ズームレンズの場合は、好みの画角に設定して、ズームリングが動かないようテープで固定します。
- 一番明るく見える星をライブビューに捉えて最大まで拡大表示します。
- ピントリングを回して、クロスした光線の中央に3本の線が丁度重なる位置で止めます。
- ピントリングが動かないようテープで固定します。
- レンズの前からスターライトフィルターを取り外して撮影を開始します。
さて、これをどうやってカメラにセットするのかというと、今は 3種類の方法を考えています。
セット方法その1
プロや写真愛好家が使う特殊な角形フィルター用に、レンズの前に取り付けて使うホルダーがあります。基本はこのフォルダーにSLFを差し込んで使うことを想定しています。
このホルダー、正規メーカー品は結構お高いのですが、最近では中国製の安いホルダーが、Amazon等で簡単に入手できます。(但し、安いなりで全く使い物にならない製品もあったので自己責任でお願いします)レンズ径ごとに各サイズのアダプターも販売されているので、ホルダーとSLFが1枚あれば、いろんなレンズで使うことができます。
僕が試した中で気に入ったホルダーは、昨年スーパーセールの売上高でメディアを賑わせた、中国のアリババが運営するAliExpress(アリエクスプレス)で購入した物(click!)。なんとφ77mm径のアダプター付きで1,710円(送料無料)、後から58mm→77mmに変換するステップアップリングも追加購入したんですが、145円(送料無料)でした。めちゃ安!!だけど物はしっかりとしていてちゃんと使えています。手持ちで1番大きなフィルター径のアダプターを買っておいて、後からステップアップリングで各レンズ径に対応させるというのはありだと思います。(但し、送料無料で注文すると到着するまで1ヶ月くらいかかることがあるので覚悟しておいたほうがいいです)
最近、このAliExpressで、超怪しい物を買いまくっています(笑)この話は長くなるので、別のエントリーで紹介しますね。
セット方法その2
両端にクリップの付いたフレキシブルに曲げられるクリップで、SLFがレンズの前に来るよう固定して使う方法。この方法だと大掛かりなホルダーが必要なく安価にセットできたり、広角レンズでもケラレの心配をする必要がなかったり、レフ板やシェードを固定するクリップとして転用できたりとメリットも多いのですが、選ぶクリップや取り付ける場所を工夫してガッチリ固定しないと、振動でフィルターの効果が確認し辛くなります。
セット方法その3
もっと強引な方法で、レンズフードにマスキングテープやパーマセルで直接貼り付けてしまうという手です。ピントリングを固定してしまえば、どのセット方法でもSLFを外すことになるので、レンズと垂直に固定できるフードが付いているならこの方法が1番安上がりかも( ̄▽ ̄;)ハハ……
フィールドテスト
とりあえずしばらくはフィールドテストの繰り返しです。先にも書いたようにキヤノンのデジイチではライブビューの拡大表示が10倍までなので、24mm以下の広角レンズではこのフィルターを使ったフォーカス効果がライブビューでは確認できなくなります。でも、とある編集テクニックを使うと50mm前後の安くて明るい単焦点レンズでも広角レンズを使ったような星景写真が作れるようなので、色々試してみようと思います。テストの状況なども今後このブログで紹介していきますね。
もしこのフィルターを使ってみたいという方、ご興味ある方がいらっしゃいましたらコメントいただけると嬉しいです。
追記:
2017年10月よりオンラインストアにて販売開始しました。>こちら<
コメントを残す