目次
デルタストーブをデザインするにあたってクリアしたかった5つの条件
横風を気にせず固形燃料が使えること
「ポケットストーブと風防を別々に持ちたくない」というのがそもそもの始まり。デルタストーブの必須条件はこの風除けです。軽量化を目的とした穴は開けず、機能的に必要な穴だけにし、炎が風の影響を受けにくくなるようデザインしました。この投稿に貼っている画像はすべて数種類の試作品が混ざっているもので、未公開の次期デザインでは最小限の穴だけになっています。
メスティンの中に収納できること
ポケットストーブを使うのは主に固形燃料とメスティンの組合せ。できるだけコンパクトに持ち歩きたいので、メスティンの中にピッタリ収まるサイズを目指しました。また、メスティンの内側を傷つけず取り出しやすい専用の簡易ケースもデザインしました。この専用ケースはデルタストーブに付属します。
折り曲げや出っ張りが無いこと
アルコールストーブ用の五徳でよく見かけるのは、曲げた板を引っ掛けて組み立てたり、抜け防止に出っ張りが付いていたりする物。デルタストーブにはそれらの加工なく、シンプルな板の抜きだけで組み立てができるよう設計しました。これにより分解して重ねると、板の総厚みは2mmとごく薄くなり、メスティンの中に入れてもほとんどスペースを取ることはありません。
TT-02と組み合わせて使えること
デルタストーブにシェラカップやマグカップを直接乗せると不安定になります。そこで、VARGOヘキサゴンウッドストーブ用にデザインしたTT-02が使えるよう設計しました。また、TT-02を併用することでデルタストーブの剛性が増し、スキレットや大きめの鍋も安心して乗せられるようになります。すでにTT-02ををお持ちの方はそのままお使いいただけます。
アルコールバーナーが使えること
固形燃料とアルコールストーブの両方が使えるよう設計しました。もちろんトランギアアルコールバーナーとTT-02を併用して使うこともできます。
アイデアしだいでコンパクトパッキング
デルタストーブがあれば、ポケットストーブや風防を用意する必要はありません。デルタストーブ、アルコールストーブ、アルコール燃料、ライター、レザーマンが余裕で入ります。メスティンの中に空いたスペースをどう有効利用するかはアイデアしだいです。(下の写真:メスティンの底にデルタストーブが入っています)
フィールドテストで分かった注意点と改良点
- メスティンに収まるよう高さを低くしたことと、大きめの鍋やフライパンが安定して乗せられるようできるだけ大きくしたため、アルコールストーブを使った場合、VARGOヘキサゴンウッドストーブに比べて熱効率が低下します。また、TT-02を併用する場合は、火力調整フタは使用できなくなるので自然消化を待つ必要があります。
2015/11/07 追記:TT-02を併用することで、クッカーまでの高さを3段階に調節できるよう設計変更しました。但し、五徳としての安定感は失われるため使用には注意が必要です。 - 組み立ては3枚のパネルを組み合わせて底板を差し込むだけと簡単ですが、TT-02と同様、多少のコツと慣れが必要です。
- 横穴を少なくすることで横風による炎への影響は少なくなりましたが、風の抵抗が増えた為、強風時の使用は本体が飛ばされないよう十分注意する必要があります。
- 風防効果によって遮蔽率が増えたことで燃焼部の温度が上昇し、一時的に板が変形することがあります。消火後に温度が低下すれば元の形状へ戻りますが、安全のため燃焼中は十分注意が必要です。TT-02を併用することで本体の変形を抑えることができます。
2015/11/07 追記:2回目の試作で排除した底板のロック機構を復活させたことにより、熱変形による分解の恐れは無くなりました。 - 2015/11/07 追記:アルコールストーブを使う場合で、デルタストーブより大きなクッカーや、バーナーパッドを使用すると、燃焼室の急激な温度上昇とともにアルコール燃料が沸騰し、燃焼室全体から炎が上がることがあり非常に危険です。
初回限定販売
さて、このデルタストーブ、すでに私の周りでも欲しいという声があがっています。はたしてどれだけの方が希望されるか見えないところではありますが、とりあえず来月あたり何セットか量産してみようと思っています。この初回量産分はメール会員様限定予約販売とさせていただこうと思っているので、ご希望の方はこちらからメール会員登録をお願いします。すでにご登録いただいている方へは、予約販売の準備ができしだいメールにてお知らせします。
2015/11/07 追記:予約販売は行わず、ネットショップよりメール会員様限定販売を行うことにしました。
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